英語が話せるようになるには、まず相手の英語が聞き取れなければならない。この逆転の発想に基づいて「話すためのリスニング」のCDブックシリーズが誕生した。本書は入門用、初級用、中級用、上級用の4冊シリーズの最終版。TOEIC700点以上、英検1級レベルで、さらなる実力養成を図る、かなり英語力のある人が対象だ。 最近、幼少時からの英語教育、それもリスニング力の養成が重要だとの議論が盛んだ。実際に、日本語もおぼつかない幼児が英語環境に置かれると、成長してある日、爆発的に英語で自己表現することがある、という実例があるそうだ。これは、リスニングによって相手の言ったことを頭にインプットし、のちにそれを自分の言葉としてアウトプットする、という言語の習得の大原則に忠実だからという。 ?「週末の過ごし方」から「売上報告」まで、トピックで全15章に分かれている。各章のはじめに導入されている短いコマーシャルメッセージをもとに、会話を聞き取り、内容の理解を深めていくリスニング・パート。スピーキング・パートは、言い換え反復、役割練習、重要表現反復など5つのセクションがあるが、各章「がっかりしたと言う」「励ます」などのファンクションテーマがあり、ページを追って見る限り、「新メソッド」とは言いながら、オーソドックスな信頼性にたる教本である。けっきょく、リスニングとは自然な英語に限りなく多く触れ、聞き上手な「英語耳」を作ることではないか。その点、白野、Stefani共著の豊富で適切な例文は定評がある。(祐 静子)
ドリルのための優良書
これは従来の入れ替え練習、役割練習、反復等であって、けして「新メソッド」ではない。話すために聞くというのも当たり前であって、「逆転の発想」というほどたいそうなことではないと思う。しかしながらドリル有効と信じる人にとっては有益書である。ドリルは確かに今ははやらないかもしれないが、滑らかに話せるようになるには欠かせないと信じる。話す内容には頭を使わなければならないが(でなければ、「趣味はナンですか?」、「納豆は食べられますか?」みたいなくだらない話しかできない)、それを如何に表現するかはある程度自動的に出てこなければ滑らかには話せない。そのように自動的に表現が口に上ってくるようにするには、ドリルやシャドウイング、音読などのの訓練をせざるを得ないと思う。 同じような学習方針の本に、同じく研究社から出ている『アメリカ口語教本』があるが、ドリルをやるなら、トピック的にも、録音媒体の質的にもこちらのほうがずっと良いと思う。
対象が曖昧
この本はtoeic 700/英検1級レベルようとあるようだが、 両方の差は、小学生と高校生の差くらいある。 本の対象がかなり広いので、レベルの高い人はがっかりする可能性があり、逆に低い人は変な自信をつける可能性がある。 対象など、気にしないでマイペースにすすめるのが理想的だ。
研究社
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