普通の建築業者とはちょっと違った見方
私は大学の卒論の参考にとこの本を購入しました。 今,どこの住宅メーカーで話を聞いても確かにバリアフリーという言葉がでてきます。しかし、バリアフリー=段差を無くすこととしか認識していないとおもいます。自分は世間一般にいう健常者であるし、この本を読むまで住宅メーカーに近い考えしかもってませんでした。段差を無くす。確かに必要な項目です。「家が狭いことが介護・自立を困難にしている。」この指摘には驚かせられました。この本を読んで様々なことを発見したようにおもいます。
米木さんの考え方に
実際、介護をしなければならない立場になったのですが、家が狭いことが問題だった。だが、この本を読んで、ほんの少しだけ広げることによって介護の可能な、どちらにも負担をかけない介護ができることを知り、嬉しくなった。
ほんの少しだけで
私は「在宅介護時代の家づくり・部屋づくり」を読むまで、在宅介護に十分な広さを自分の家では確保できないと考えておりました。しかし、本当に必要な広さはたった45センチ広げるだけということを知り、とても驚きました。本の中には、米木さんの考えに従った改築などの設計図もあり、45センチ広げた新四畳半、新六畳に部屋をかえても、家全体の大きさはさほど変わりません。しかし、今の建築の基準が変わらないと、少し部屋を広げるだけでも費用がかかってしまうと言う事もわかり、まずは基準から変えていかなければならないと感じさせられました。 これから、ますます介護の問題は大きくなるでしょう。そんな時代の参考書として役に立った1冊です。
『広さ』が解決の第一歩なのですね
朝日新聞に著者が載っていた事があり、気になって本を購入しました。私の家では祖父が施設に入っており、どうにか自宅で一緒に暮らせないかと家族で相談していました。この『在宅介護時代の家づくり・部屋づくり』を読んでみて、段差を解消させると、祖父も自分の力で移動ができるのではないだろうかと思い、近くの工務店の方にこの本を見せて、部屋のリフォームを計画中です。スロープは始めからつけないほうが良いという文章を読んで、とても感心しました。きっとこの本が今の建築の方法を変えてくれるのではないかと期待しております。
行政への働きかけの根拠に
本書は、高齢者や障害者の自活性・介護性という観点から、真のバリアフリーを実現するための唯一の方法として「狭さの解消」を説き、日本人の住宅づくりに対する意識の低さを戒める。 介護対応型住宅に必要な面積は、在来住宅の112%、車椅子完全対応でも130%あれば足りるという。しかし、その12%、30%を容易に確保し、真のバリアフリー住宅の理想を実現できる個人が、これから迎える超高齢社会に一体どれ程いるだろうか。よしんば面積が確保できたとして、「適切なサイズの建築資材調達は?」「建築基準法等の法律に抵触することはないのか?」「融資制度との兼ね合いは?」といった問題はそうそう簡単に片がつくまい。 二十数年先には高齢者率が25%を超えようという今、介護対応型住宅は、個々の自助力!にのみ任されていい問題ではなくなっている。是非、行政にもその必要性の認識、早急な対処を望みたい。本書は、そうした働きかけの拠り所となる確たる根拠を見事に提示していると思う。
寿郎社
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