熱い
英語で授業を受けたがついていけず、新書で勉強する事にした。
なぜ不景気がおこり、日本会社の倒産に歯止めがかからなかったのか。日本企業の強み、弱みとは何かを検証する。
終身雇用制しか正直しらなかったけど、メインバンク制度、株式持合い制度、含み利益によるリスク回避について学べた。
株主、経営者、会社法、従業員、金融それぞれ国際比較し、日本の会社の統治システムの動向を探っていた。
この本は基本難しい。時々難しくなりすぎて、ついていけなくなったと思ったら最後の方に重要な定義の解説が出たりして、困った。久しぶりにかなり読み応えのある新書だった。
内容が古くなってしまったのが残念
日本では2001年、02年の商法改正によってコーポレート・ガバナンスに関する商法改正が行われ、アメリカにおいてもエンロン、ワールドコムが引き起こした会計不祥事を受けて成立した「サーベンス・オクスレー法」が成立したりと、コーポレート・ガバナンスを築く上での法的環境が激変している。660円で手に入る内容の充実した良書であるが、いかんせん1999年に執筆された本であるため、このタイトルを使うから には改訂が必要であると思われる。 本書の特徴を挙げれば、本書は日米比較にとどまらず、ドイツ、フランス、イギリスを例に挙げ各国比較を試みている上では他の入門書的な「コポ・ガバ」本を超えているが、図や比較表が用いられておらず、ほとんど記述であるため、自ら精読して比較をしなくてはならないのが少々疲れる点である。 本書は商法など法律のフレームワークのみならず、会計における自己資本の解釈を試みられていられる点を考慮すれば、深尾先生が学者として広範な領域を研究されており、また99年という時代に書かれたものとして本書を読んでも、学者として押さえておくべきポイントをうまく捕らえているため、改めて深尾先生のすごさを感じた。
広く浅く
基本的な会社法の知識(大学法学部又は司法試験予備校における司法試験入門講座レベルで提供されるもの)があれば、日本の会社法について特段得られる知識はないかと思う。 アメリカ、イギリス、フランス及びドイツの会社法中の企業統治部分の相互比較がコンパクトにまとめられている点が良いと思う。外国法の中では、アメリカ会社法の記述が多めであるが、これは近時の商法改正におけるアメリカ会社法の影響度を考えれば当然のことかと思われる。 日本型企業統治の三種の神器として広く定説とされ、本書でも所与のこととして扱われている「終身雇用」、「メインバンクシステム」及び「系列」については、「日本経済論の誤解」(三輪&Mark Ramseyer)で豊富なデータを基にその存在自体が誤った「定説」であると批判されているところであるが、親書サイズという本書の性格からして、やむを得ないことかと思う。
最強の入門書
本書は 「です、ます」体で書いてあるので呑み込みやすいが、「である」体で書いてあると非常に難しい論文である。最近では、よくコーポレートガバナンスという言葉を聞くが、国際比較をこれほどまでにコンパクトにまとめ、かつ要領を得ているのは本書しかないように思われる。更に、新書ではあるがハードカバーの本に見られるような緻密な分析もなされており、値段的にも質的にも最強の入門書といえる。
日本にかけていたシステムを知る
この数年、コーポレートガバナンスという言葉は日本でも標準的となってきたが、筆者は以前からコーポレートガバナンスに関する日本の権威である。この本は専門家のみならず一般の人にも、なぜこの考え方が今日本に必要なのかをコンパクトに教えてくれる良書である。なお、日本経済の「失われた10年」について考える上でも必読の書であることは言うまでもない。
筑摩書房
コーポレート・ガバナンス―日本企業再生への道 (中公新書) 図解 コーポレートガバナンス コーポレート・ガバナンス改革 取締役の条件―21世紀のコーポレート・ガバナンスはどうあるべきか 取締役が会社の価値を高める!―競争優位を生み出すコーポレート・ガバナンス実践法
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